その他

白質消失病(VWM)の臨床試験に関する報告

Dooves et al.(2017): Bergmann glia translocation: a new disease marker for vanishing white matter identifies therapeutic effects of Guanabenz treatment; Neuropathol Appl Neurobiol . 2018 Jun;44(4):391-403. doi: 10.1111/nan.12411

VU大学による,同じアストロサイト疾患である白質消失病(VWM)に対する治療法に関する研究。この論文では,グアナベンズと呼ばれる高血圧の治療に何十年も使用されてきた薬が、VWMに罹患したマウスに対し有効であるという結果が示されている。それを受けて,オランダのアムステルダム大学医療センターにおいて,VWMの子供を対象とした臨床試験が実施されている(web記事; 白質消失病の患者を対象とした臨床試験を開始)。

VWMはeIF2Bという遺伝子変異に起因しており,グアナベンズはeIF2Bタンパクの活性を調節する効果あるとのことなので,MLCの治療に直接反映できる可能性は低いと思われる。ただし,この例のように,既に別の役割で用いられている薬が特定の疾患に思わぬ効果を発揮するということもあり得るので,今後MLCにおいても既存薬の有効性が示されることを期待したい。